勝つことと育てること。
「大事なのは今日の結果ではなく、明日子供がどんなプレーをするかを楽しみにすること。
勝つことと育てることは、矛盾すると同時に矛盾しない。 その矛盾の間でコーチは生活している。」
イビチャ オシム
もうすぐJリーグ開幕します。
また、育成年代に置いても、完全にリーグ戦の文化が根付きましたね。
僕が、中学生の頃は全くリーグ戦という文化がありませんでしたが、今はどの年代に置いても年間のリーグ戦があります。
もうすでに開幕している地域がほとんどではないでしょうか。
年間のリーグ戦の目的としては
・長期にわたる能力別リーグ戦の創出
・M-T-M(Match-Training-Match)トレーニングとゲームによる選手の育成。
課題へのトライ。指導者のスキルアップ(分析、計画、トレーニング等)
・リスクにトライ
・長期にわたるモチベーション
・メンタリティー
・カレンダーの整備
・運営の簡素化
確かに上記のようなメリットが生み出せてはいると思いまし、年間のリーグ戦を取り入れることによって、選手が得られる経験値は大きいのではないかと、僕は思います。
そして、リーグ戦や公式戦が始まってくるシーズンになると、冒頭の元日本代表監督イビチャ・オシムさんが、育成年代について話されていた事を思い出します。
勝つことと育てること。
こればかりは、本当に難しい。
勝つことはすごく大事。 選手に勝つ喜びを与えることで選手に自信や成功体験を与えることができる。 勝つために逆算して準備や分析をすることができる。 なにより、選手が勝つ喜びと負ける悔しさを味わうのは、人間的成長にとってもすごく大事なことです。
またインターネットが普及した今の時代は各々の大会の結果などがすぐに情報として出回り、それがクラブの価値として、重要なことになっているのも事実。
ただ、そういった結果だけを追い求めていて、果たして、選手はしっかり成長しているのだろうか?早熟の選手が多く、大切な技術を身につけないままカテゴリーが上がり、壁にぶち当たっていないか?
という問題。
かたや、「結果は全く求めてません。勝つことよりも育成を重視しています。勝つという結果よりも、今は将来のために徹底的に技術を磨く。だから今は負けていいのです。」という考えもある。
ただ、育成年代で勝つことを放棄した選手が将来、本当に大成するのか?また、指導者は結果から目を背け、分析→計画→トレーニングのサイクルを怠っていないか?そこを怠っていて本当に良い選手が育つのか?という問題。
これらは、どちらの言い分も理解できる。
では、勝つことを追い求めれば、必ずしも育成はできないのか? 育成を追い求めれば必ずしも、勝つことができないのか?
というとそうではないと僕は思います。
なので、
「勝つことと育てることは矛盾するようで矛盾しない。その矛盾の中でコーチは生活している。」
というオシムさんの言葉がすごく胸に刺さります。
要はそれらのメリット・デメリットを理解した上で、どちらも真剣に追い求めろということ。
そのために、指導者は学び続けないといけない。
「指導者に大切なのは我慢ではない。指導者自身が勉強すること。」
これもオシムさんの言葉です。
1シーズンなんてあっという間です。
選手も指導者の方も、日々切磋琢磨して頑張りましょう。